以前、小規模共済は教えてもらったけど
倒産防止共済というのも耳にするなぁ
なにか違いがあるのかな
節税になる
なら両方やったほうがいいかしらね
それではさっそく見ていきましょう
裏技もみつけたよ
経営セーフティ共済と中小倒産防止共済は同じ意味なのでこの記事では倒産防止共済で統一するよ
まず、倒産防止共済は中小企業や個人事業主が、取引先企業が倒産したときに連鎖倒産しないよう、資金の貸し付けを受けられる制度です。
そして、この制度は節税効果があることでも知られており、税金対策として活用する企業や個人事業主も多いでしょう。
- 倒産防止共済とはどのような制度なのか
- 裏技がある!?
- 倒産防止共済の裏ワザを利用するときの注意点
といった内容で、ご紹介していきます。
倒産防止共済の活用を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
企業倒産防止共済とは?
この共済の目的は、取引先が倒産した時にスピーディな融資を行うことで連鎖倒産を防ぐということです。
企業倒産防止共済は、中小企業や個人事業主のための、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)の運営する制度です。
月額最高20万円、合計で800万円まで掛けられます。
この共済に加入していると無担保で掛金合計額の10倍(上限は8000万円)まで借入ができます。
細かく見ていくと、返済は融資金額により5-7年間の均等返済、無利息ですが、借入を利用すると融資金額の1/10の金額が積み立てた掛金から控除されてしまいます。
一定期間以上掛金を積んでいれば掛金以上のお金が戻ってくるはずなのにその戻ってくる金額が減額されるのですから、積み立てたお金から利息を支払っているのと同じです。
つまり、現実に得意先が倒産をして融資を受けた際に支払うべき利息をまだ借り入れもしていないのに利息を先払いしているようなものなのです。
加入の条件は以下のようになっています。
- 資本金が3億円以下であること(法人・個人事業主)
- 事業を1年以上継続していること(法人)
- 個人事業を1年以上続けていること(個人事業主)
- 従業員数900人以下
細かい加入条件は こちら
掛金は月額最大20万円となっており、積立てた掛金は全額損金として計上できることが特徴です。
掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択できます。掛金は掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができます。
裏ワザの中身
倒産防止共済の裏ワザ3STEP
- 利益が大きい年に掛金を積み立てて経費へ
- 経費が大きい年(利益が少ない年)に解約する
- 解約して再加入する
利益が大きい年に掛金を積み立てて経費へ
倒産防止共済では掛金を全額、法人なら損金として、個人事業主なら経費として計上できます。
ですから、利益が大きくでた年に加入すれば、倒産防止共済に預け入れた共済金の全金額を損金として計上することができ、課税金額を減額することが可能となります。
経費が大きい年(利益が少ない年)に解約する
解約するときには、利益が少ない年に解約するようにします。
なぜなら、経営セーフティ共済を解約して受け取った解約手当金は、退職金のように税制上の優遇はありません。
これまで預け入れた共済金のすべてが収入として扱われるので、なるべく利益の少ない年に解約するように、解約のタイミングを考慮することが必要です。
解約して再加入する
倒産防止共済は、解約しても再加入できます。
掛金の上限800万円まで預け入れると、それ以上は預け入れることができなくなりますし、損金や経費として計上することができなくなります。
そこで、さらに資金を経費として計上したいといった場合は、一度解約して解約手当金を受け取り、再度加入して共済金を預け入れます。
年間払いで前納をすれば最大240万円の損金算入ができる
倒産防止共済には、前納という仕組みがあり、月々預け入れる共済金を任意の月数分まとめて納付することができます。(前納できるのは12ヶ月分以内となっています。)
この仕組みを利用すれば、1年分の共済金の掛金全額(上限240万円)をその年の経費にできることになります。
もし、所得が500万円であれば、1年分の上限金額の240万円を経費として計上した場合は、所得税と住民税あわせて約65万円の税効果となります。
ただし、年払には手続きが必要で、年払した翌年は月払いに戻ってしまいますので、注意が必要です。
倒産防止共済の裏ワザを利用する際、注意すべきこと
- 倒産防止共済での損金計上は税の繰り延べをしてるだけという点に注意
- 出口戦略を考えておかないと解約時に税金が多くなってしまう点に注意
- 40ヶ月未満で解約すると解約手当金が掛金の総額を下回る点に注意
税の繰延をしているだけ
倒産防止共済の共済金の掛金は、全額必要経費として計上できるということをお伝えしました。
税務の鉄則として、「支出時に損金になったものは、入金時に益金になり、支出時に損金にならなかったものは、入金時には益金にはならない」というものがあります。
前者と後者はトータルの利益は一緒であり、税負担も変わりありません。なので、「支出時に損金になる」という部分だけをつまみ食いして、税負担が軽減されると思うのは誤りであるということです。
実際に、この倒産防止共済も、支払い時に損金になるということは、解約してお金が戻ってきた時には益金となり、利益に加算されて税金がかかります。
つまり、税金の支払い時期が現在から未来にズレるだけのことです。
出口戦略(辞め時)を考えておかないと解約時に税金が多くなる
倒産防止共済では、出口戦略を考えておかないと、税効果どころか、より税金を多く支払うことになってしまうという事態が起こります。
倒産防止共済に加入して満額800万円を預け入れても、解約手当金として受け取るときには全額所得となり税制上の優遇はありません。
対策として具体的には、解約するタイミングを
- 退職金支払いの時期にあわせる
- 収入の少なかった赤字の年にあわせる
といった調整をすることが必要でしょう。
40ヶ月未満で解約すると解約手当金が掛金の総額を下回る
倒産防止共済で解約手当金を受け取るときには、掛金の納付月数によって支給率が変わってきます。
支給率が掛金の100%以上となるのは、共済金の納付が40ヶ月以上のとき。
つまり、40ヶ月未満で解約してしまうと、解約手当金として受け取る額が掛金の総額を下回ってしまう、ということになります。
しかも、12ヶ月未満で解約すると、掛け捨てとなってしまいますので、さらに注意が必要です。
また、共済金の納付月が40ヶ月を超えたとしても、資金が運用されるわけではなく、元本以上に増えることはありません。
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